まだ患者会に入会されていない透析患者のみなさんへ
透析患者会への入会のお誘い
NPO法人岐阜県腎臓病協議会
会長 大矢 正明
面倒かもしれませんが、私の思いを読んでいただけませんでしょうか!!
透析治療(薬剤含む)1ヶ月40〜50万円! でも自己負担はゼロ!!
この医療制度を守るために・・・
透析治療をしておられる透析患者のみなさん
私はNPO法人岐阜県腎臓病協議会の会長をしております大矢正明と申します。現在67歳、
透析歴は17年で、可児市の新可児クリニックで月水金の夜間、一回5時間の透析をしてい
ます。
患者のみなさん! 私は最近、高齢になり、どうせ誰もが病気になるなら、透析患者でよかった
とさえ思うようになりました。同じ難病でもALS(筋委縮性側索硬化症)等のような深刻な病
気の患者に比べたら、たしかに死ぬまで続き、透析時間の拘束はありますが、合併症の発症
さえ少なければ、健常者と同じような生活ができ、透析ライフを満喫できると思いませんか。
ところでみなさん、ご自分の一カ月分のお薬や通院の費用を御存知でしょうか。
先日、市役所から届いた私の12月の国民健康保険医療費は通院費(透析と整形)429,090
円、調剤費23,650円 合わせて、452,740円でした。
「透析患者に一人あたり月40〜50万円、そして年500〜600万円の医療費が
かかる」という現状が納得できます。
もし、医療費が全額自己負担だったら・・私はとても生きていけません。もし、一般の病気と
同じように3割負担だったとしても月に12万円〜15万円・・ほとんどの人が生活できませんね。
実は、この薬剤を含む透析医療費月40〜50万のうちほとんどが公費負担で私たち
透析患者の自己負担額は、月1万円(または2万円)なのです。でも岐阜県の場合、実際は
自己負担額を支払っていませんね。それは、岐阜県には県単独事業の福祉医療費助成制
度(重度心身障害者医療費助成制度)があって自己負担の1万円(2万円)を県と市町村
で折半《5千円づつ(1万円づつ)》していただいているからです。
身銭を一銭も使うこともなく、週3回4時間〜5時間ベッドで身体を休め、生き返ったように元
気になって帰宅できますよね・・。ありがたいことです。
さてみなさん 今、透析患者の自己負担がゼロに近いのはなぜでしょう?
お国が最初から面倒をみてくれたわけでは、もちろんありません。数十年ほど前、透
析医療が普及し始めた頃、透析患者が置かれた状況は悲惨なものでした。「金の切れ目が
命の切れ目」と言われたように、多額の透析費用を負担できる人だけが透析を受けることが
できたのです。しかも透析医療自体が未熟だったために、たいへんな苦痛を伴いながら・・。
金の工面できない庶民は死をただ待つばかりでした。
こんな悲惨な状況を変えたのは、私たちの先輩患者でした。各地に患者会(腎友会)
−岐阜県では、昭和46年に岐阜県腎臓病患者連絡協議会 ―をつくり、医療スタッフの協力
を得ながら、行政や国会(当時の厚生省)に働きかけた結果、今日の制度ができました。
「日本の透析医療は世界で最も進んでいる」と評価される所以です。過去の患者さん達が一
致団結したからこそ、今の透析患者はお金の心配をせずに透析医療を受けられるのです。
私たちは、過去の患者さん達の犠牲と献身のおかげで生きている、そして10万人近い全
腎協という患者会があるからといっても過言ではないでしょう。
今、岐阜県には約4700名の透析患者がおられます。そのうちNPO岐腎協の会員は約28
00名で、6割を切る組織率です。まだ4割以上(約1900名)の患者のみなさんが入会され
ていません。患者の中で入会されていない人がおられ、加入率が低い理由は自明でしょう。
もはや患者会に入らなくとも、誰もが平等に手厚い透析医療が受けられるのですから・・。
現行の手厚い透析医療が未来永劫に続く保証があるのなら、腎友会活動に無関心でもい
いのかもしれません。
しかし、ご承知のように日本の国家財政は逼迫(ひっぱく)しています。今の制度が未来永劫
続く保証など全くありません。むしろカットされる危機が年々高まっていると言えるでし
ょう。
自己責任が声高に叫ばれて久しいご時世ですから、「透析患者になったのも自己責任」と不
人情にもささやかれ、医療制度や医療内容が大幅に後退するかもしれません。それを防ぎ、
未来の透析患者たちのためにも現行の恵まれた制度をなんとか維持し続けたい・・。
そう願うなら、私たちが取るべき手段はただひとつ、昔のように団結するしかないと思います。
組織が弱体(会員が減少)すれば、公費負担はなくなる!!
自分一人ぐらい入会しなくても態勢に影響ないと考えている人、
自分は高齢で何もできないから入会してもしょうがないと思っている人、等々
無関心な人が蔓延して、組織が弱体し組織率が下がっていけば、行政はこの制度の継続を
願う人が少ないと見て、必ず制度を改悪し、患者負担を導入する方向に舵を切ります。そうなっ
てしまったら後の祭りです。現に全国でも組織率の低い26都道府県では、自己負担が導入さ
れています。(県によっては1ヶ月12、000円の自己負担のところも)
まだ入会されていないみなさん!! 私たちの仲間の輪に入りましょう。
あなたの患者会への入会を心からお待ちしております。
みんなが会員となれば、より親睦の度が深まり、難病と共に闘う勇気を分かち合えると思うの
です。 今回の趣旨にご賛同いただけましたら、HPの入会申し込み用紙にご氏名等をご記入し
送信していただくか、患者会のある施設の方は会長にお申し込みください。
吉報 平成26年度の岐阜県福祉医療費助成制度が2月18日県の平成26年度予算案の
発表で、自己負担なく継続されることが決定しました。・・県議会や、県健康福祉部国保課へ
のNPO岐腎協等の要望活動の結果です。 よかったですね!!

